ナチスは良いこともしたか
公開 2023/08/05 07:06
最終更新
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わたしたちは一発逆転のロマンに弱い。
『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(小野寺拓也、田野 大輔 ・岩波書店)を読んだ。
大きなテーマだがポイントを明確に絞っているので読みやすい。160ページほどなのでサクッと読める部類。
戦争や虐殺はたしかに悪いことだが、物事は多角的に見るべきではないか。ナチスは新たな良いものを生み出したのでは?
しばしば見かける論調だ。私も歴史に詳しくないので、そう言われればそうなのかも…なんて思ってしまう。実際どうなの?という疑問に専門家が答える内容。
結論から言うと「一見先進的に見える政策も様々なまやかしや不正、搾取や略奪と結び付いていた」という。
ナチスが生み出した「良いこと」としてアウトバーン建設による雇用の回復、旅行などのレクリエーション、フォルクスワーゲン、家族政策、環境保護などが話題になるがいずれもナチスの完全オリジナルではなく、また十分な結果を出したとは言いがたいそうだ。
そりゃ一部分だけを抜き出せば良いとこもあるけど、それは略奪や排除の上に成り立ってたり戦争と直結してるから「良いこと」とは言えないよね…というのが専門家の見解。
研究の積み重ねによる知見に、ナチスにも歴史にも詳しくない(興味もない)人が異を唱えることがあるのは何故か?というところまで本書は触れている。
権威に対する反発や、教科書でならう「綺麗事」が本当はウソだったんだぜと真実を暴く「斬新な主張」に惹かれてしまう人がいる。
「ナチスは悪いことをした」という学校で習った常識がデタラメだったら面白い…そんな気持ちわかるでしょう?みたいな。
専門家の研究による知識の上に成り立つ常識や教科書の内容をひっくり返すのって相当難しいと思うけど、一発逆転の裏ワザがあると考えてしまうのだろう。
事実の中から都合のいい部分だけをピンポイントで抜き出して何かを主張するのは、ふつう研究者に相手にされない。
専門家がいつも正しいわけではないし、常識や権威とされることを疑ってかかる態度も大事だけど、単純なデマや俗説の方を信じちゃったら台無しだ。
詳しくない分野については特に気をつけたいと、あらためて思った。
『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(小野寺拓也、田野 大輔 ・岩波書店)を読んだ。
大きなテーマだがポイントを明確に絞っているので読みやすい。160ページほどなのでサクッと読める部類。
戦争や虐殺はたしかに悪いことだが、物事は多角的に見るべきではないか。ナチスは新たな良いものを生み出したのでは?
しばしば見かける論調だ。私も歴史に詳しくないので、そう言われればそうなのかも…なんて思ってしまう。実際どうなの?という疑問に専門家が答える内容。
結論から言うと「一見先進的に見える政策も様々なまやかしや不正、搾取や略奪と結び付いていた」という。
ナチスが生み出した「良いこと」としてアウトバーン建設による雇用の回復、旅行などのレクリエーション、フォルクスワーゲン、家族政策、環境保護などが話題になるがいずれもナチスの完全オリジナルではなく、また十分な結果を出したとは言いがたいそうだ。
そりゃ一部分だけを抜き出せば良いとこもあるけど、それは略奪や排除の上に成り立ってたり戦争と直結してるから「良いこと」とは言えないよね…というのが専門家の見解。
研究の積み重ねによる知見に、ナチスにも歴史にも詳しくない(興味もない)人が異を唱えることがあるのは何故か?というところまで本書は触れている。
権威に対する反発や、教科書でならう「綺麗事」が本当はウソだったんだぜと真実を暴く「斬新な主張」に惹かれてしまう人がいる。
「ナチスは悪いことをした」という学校で習った常識がデタラメだったら面白い…そんな気持ちわかるでしょう?みたいな。
専門家の研究による知識の上に成り立つ常識や教科書の内容をひっくり返すのって相当難しいと思うけど、一発逆転の裏ワザがあると考えてしまうのだろう。
事実の中から都合のいい部分だけをピンポイントで抜き出して何かを主張するのは、ふつう研究者に相手にされない。
専門家がいつも正しいわけではないし、常識や権威とされることを疑ってかかる態度も大事だけど、単純なデマや俗説の方を信じちゃったら台無しだ。
詳しくない分野については特に気をつけたいと、あらためて思った。
