タイツの夢から覚めた日
公開 2023/08/02 21:05
最終更新
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アイコンの変更ができず全員タイツアイコンで投稿する異形のSNSタイッツー。
いかにもイロモノ的だが、実際に触ってみてその奥深さに気づいた人も多いだろう。
「誰が」言ったかよりも「何を」言ったかに目が行く。
いくら自己主張をしてもタイツの姿では限界があり、名前もプロフィールもあるのにタイムラインに並んだタイツはきわめて匿名性が高い。もれが誰でも、たいした問題ではないと思えてくるのだ。
タイツで正体を隠した仮面舞踏会のような秘密の楽しさを共有し、タイッツーは小さな楽園となった。
この空気に馴染めた者は定住し、「他は悪くないけどアイコン変更できないのはちょっとね…。また来るわ」と様子を見ていたユーザーも少なくなかったのだろう。
また、タイツも悪くないが変更できるならしたいという人も。
2023年8月2日昼ごろ、ブタさんのアイコンを引っ提げた造物主ほくさんのアナウンス。
タイツだけの世界に導入された自由という名の混沌は、大きな衝撃を与えた。
モノクロだった視界は彩りで満ち溢れ「そういえばこの世には色というものがあった」「そういえばこの世にはタイツ以外の姿があった」とみな正気にかえってしまった。
思えばこれも不思議で、アイコンの画像が自由に選択できるのはちっとも特殊なことではない。
全員タイツなのが異常な事態なのに、みなそこに居心地の良さを感じていたのだ。
私がそこにいちばん衝撃を受けた。
ふつうの機能が実装されたのに、とんでもないことが起こったようなインパクト。パブリックタイムラインのざわめきが忘れられない。
ある程度は計算されたものであることは想像できるが、思った以上に私は異常な状態に慣らされていた。
「誰が誰でも大した問題ではない」
「みんなタイツでいいじゃない」
という偏った思想に共鳴し過ぎた私は、自由に変更できるにも関わらずタイツアイコンを捨てることを躊躇った。
あたりを見回すと、次々とタイツを脱ぎ捨て本来の姿を現す人々に混じって、見慣れたタイツ姿をちらほら見かける。
私は彼らにそれとなく目配せして、互いの気持ちをそれとなく確かめあう。
──これはこれで、いいものですよね?
いかにもイロモノ的だが、実際に触ってみてその奥深さに気づいた人も多いだろう。
「誰が」言ったかよりも「何を」言ったかに目が行く。
いくら自己主張をしてもタイツの姿では限界があり、名前もプロフィールもあるのにタイムラインに並んだタイツはきわめて匿名性が高い。もれが誰でも、たいした問題ではないと思えてくるのだ。
タイツで正体を隠した仮面舞踏会のような秘密の楽しさを共有し、タイッツーは小さな楽園となった。
この空気に馴染めた者は定住し、「他は悪くないけどアイコン変更できないのはちょっとね…。また来るわ」と様子を見ていたユーザーも少なくなかったのだろう。
また、タイツも悪くないが変更できるならしたいという人も。
2023年8月2日昼ごろ、ブタさんのアイコンを引っ提げた造物主ほくさんのアナウンス。
タイツだけの世界に導入された自由という名の混沌は、大きな衝撃を与えた。
モノクロだった視界は彩りで満ち溢れ「そういえばこの世には色というものがあった」「そういえばこの世にはタイツ以外の姿があった」とみな正気にかえってしまった。
思えばこれも不思議で、アイコンの画像が自由に選択できるのはちっとも特殊なことではない。
全員タイツなのが異常な事態なのに、みなそこに居心地の良さを感じていたのだ。
私がそこにいちばん衝撃を受けた。
ふつうの機能が実装されたのに、とんでもないことが起こったようなインパクト。パブリックタイムラインのざわめきが忘れられない。
ある程度は計算されたものであることは想像できるが、思った以上に私は異常な状態に慣らされていた。
「誰が誰でも大した問題ではない」
「みんなタイツでいいじゃない」
という偏った思想に共鳴し過ぎた私は、自由に変更できるにも関わらずタイツアイコンを捨てることを躊躇った。
あたりを見回すと、次々とタイツを脱ぎ捨て本来の姿を現す人々に混じって、見慣れたタイツ姿をちらほら見かける。
私は彼らにそれとなく目配せして、互いの気持ちをそれとなく確かめあう。
──これはこれで、いいものですよね?
