ユニークな『民俗学入門』
公開 2023/08/20 09:46
最終更新
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『民俗学入門』(菊池暁・岩波新書)を読んだ。
昨年だったか、出版されたとき話題になったので読んでみたかったのだ。
民俗学は人間の「せつなさ」や「しょうもなさ」に寄り添うものだ、という話からこの本は始まる。
学問をガクモンと書いたりもって回ったペダンティックな言い方をする感じに「この本はちょっと……」と思ったが、本論に入ったら非常に簡潔でわかりやすくツボをおさえたものだった。
そもそも民俗学が扱う範囲はひろく、われわれ生活のあらゆる面を網羅していて全体像がとらえにくい。
その中から本書では衣食住に加え「はたらく」「はこぶ」「つどう」と言ったキーワードを用いてポイントを絞った概説を試みる。
私も民俗学は専門ではないし入門書も多く読んだわけではないが、このような方法はユニークに感じた。
それもあとがきを読んで著者が既存の入門書がいまいち使いにくいと不満を持っていたと知り、納得することになる。
神話や民話、信仰に関するトピックスで民俗学の成果が引用されることは多いし、そういう面は我々シロウトにも比較的イメージしやすい。
問題はそういった特定のジャンルではなく、生活ぜんぶが丸ごと研究の対象になるような学問の断片を、アンケートによる実例や参考文献も添えて伝えてくれる。
民俗学は日々の暮らしを営むわたしたち自身を資料とするのだ、という点を強調してこの本は終わる。
最初の「なんか変な文章だな」という先入観で読むのをやめなくてよかった。
昨年だったか、出版されたとき話題になったので読んでみたかったのだ。
民俗学は人間の「せつなさ」や「しょうもなさ」に寄り添うものだ、という話からこの本は始まる。
学問をガクモンと書いたりもって回ったペダンティックな言い方をする感じに「この本はちょっと……」と思ったが、本論に入ったら非常に簡潔でわかりやすくツボをおさえたものだった。
そもそも民俗学が扱う範囲はひろく、われわれ生活のあらゆる面を網羅していて全体像がとらえにくい。
その中から本書では衣食住に加え「はたらく」「はこぶ」「つどう」と言ったキーワードを用いてポイントを絞った概説を試みる。
私も民俗学は専門ではないし入門書も多く読んだわけではないが、このような方法はユニークに感じた。
それもあとがきを読んで著者が既存の入門書がいまいち使いにくいと不満を持っていたと知り、納得することになる。
神話や民話、信仰に関するトピックスで民俗学の成果が引用されることは多いし、そういう面は我々シロウトにも比較的イメージしやすい。
問題はそういった特定のジャンルではなく、生活ぜんぶが丸ごと研究の対象になるような学問の断片を、アンケートによる実例や参考文献も添えて伝えてくれる。
民俗学は日々の暮らしを営むわたしたち自身を資料とするのだ、という点を強調してこの本は終わる。
最初の「なんか変な文章だな」という先入観で読むのをやめなくてよかった。
