ちょっと思っただけの話。
公開 2025/10/25 14:20
最終更新 2025/10/25 14:51
⚠️表題のとおりですので、特にオチなどもありませんよ。

 世の中に『ゲームの世界に転生(転移)する』という創作が溢れて大分経ちます。その題材の創作物も数えきれないくらいに多くなりました。
 ただ、それらに関して、ふと思った事があります。
 別に、現在巷に溢れているそれら創作物に難癖を付けたいだとか、否定したいだとかいう訳ではありません。ただちょっと思っただけの事です。

『経験値とレベル』という概念 #

「ステータスオープン」
 そう呟くと、目の前に半透明のボードが音もなく表れた。
 そこには、俺の今の『ステータス』が表示されている。
「今のレベルは10か……。次のレベルまでは……、スライムをあと3匹も狩れば上がりそうだな!」
 よし、と気合を入れなおし、俺はステータスボードを閉じた。
 …的なお話がよくありますよね。(引用部分は自作です。実際にこんな話があるかどうかは知りません)

 この『レベル』と『経験値』という概念が、ずーっと謎なんですよね。

 ゲームなんだから、レベル上げするのに経験値稼ぎは必要じゃん。
 確かにそれはそうです。但しそれは、その世界が本当にビデオゲームの中であるなら、という前提が必要だと思うのです。

 どういう事かと言いますと…。
 数多あるビデオゲームには、確かに『経験値』や『レベル』というものが出てきます。敵を倒して経験値をゲットし、それが規定値まで溜まればレベルアップ! 基本的にRPGとはそういうシステムのゲームです。
 ですが、ちょっと考えてみて欲しい。

 そもそもビデオゲームのRPGというのは、TRPG(テーブルトークRPG)というアナログのゲームを、デジタルで再現しようとしたものです。TRPGの説明は長くなるので省きますが…。興味のある方は調べてみるのも一興かと。
 で、そのTRPGにも世界観やシナリオなどが用意されている。超有名TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」なんかは、シナリオが幾つか小説として出版されていたりもしますね。「ロードス島戦記」なんかが有名ですね。

 つまり、TRPGの根底には「文字で書かれた物語」が存在しています。
 他にも、世の中には「ファンタジー小説」というものが多々存在します。

 例えば、主人公が戦禍に喘ぐ故郷を救う話があったとします。無一文、裸一貫で立ち上がり、そこから紆余曲折を経て、最終的には「救国の英雄」と呼ばれるようになる物語だったとします。
 その物語の中には「立ちはだかる敵兵を薙ぎ倒し、経験値を3000得た。それによって主人公は飛躍的にレベルアップした!」などというくだりは、まず出てきません。
 斃れていた兵から剣を頂戴し、自己鍛錬を重ね、それでも強敵に敵わず師となる存在を探しに行く…とか。師の下で厳しい修行に耐え、師から送り出された先で志を同じくする仲間と出会う…とか。そういったエピソード(経験)を積み重ね、主人公は最終的に争いを平定するだけの力を得る。

 この『経験を積み重ね、一つずつ強くなっていく』という現象を、デジタルに落とし込んだものが『経験値』と『レベル』です。

 昨日倒せなかった敵が、今日は倒せるようになった。何度も戦ううちに、敵を効率よく倒す方法を身に着けた。
 物語ではそのプロセスを描く事が可能ですが、デジタルなゲームだと難しい。
 段階的に強くなる…という事を表現するにはどうしたらいいか。
 その答えが、「敵を倒すと、敵の強さに応じた『経験値』が貰える」「経験値を一定まで貯めると『レベル』が上がって、キャラクターの能力値が上昇する」というシステムです。

 つまり、経験値やレベルという概念は、「物語としてなら語る事は可能だけれど、『ビデオゲーム』という媒体に於いては、文字で語るのではなく体験として提供する必要があったが故に生まれたもの」だと考えています。
 そして「成長している」と、プレイヤーに分かり易く表示するためのステータス(パラメータ)が存在する訳です。

 さて翻って、『ゲーム世界に転生』です。

 ゲーム世界に転生した主人公は、何故か自身のステータスを数値として把握し、敵を倒して「経験値」という謎の数字を得、それを元に「レベル」を上げていきます。
 本来これら3つの要素は、ゲーム内の主人公ではなく、ゲームをプレイしている神様視点のプレイヤーに提示されるべきものではないかと思うのです。
 ゲーム中のキャラクターは、「スライムを倒せば経験値2貰える」とは考えていない。その数値が見えているのは、主人公を操る神様であるプレイヤーです。

 ゲームでは、この村は俺たち「勇者一行」が訪れた時点で壊滅していた。
 だが村を襲うはずだった魔物を俺たちが先回りして倒したおかげで、村人は笑顔で俺たちを歓待してくれている。
 シナリオが変わった――。
 そこで俺は改めて感じたのだ。
 この世界は、決してゲームなどではない。目の前に居る人々も、名もなきモブなどではない。彼ら一人一人に人生があり、きちんと生きている人間なのだ――と。
 ああ、『ゲームじゃない』ならしょうがないわ。経験値が数字として認識できてても、レベルが上がるのも、「そういう世界」なんだったら納得だわ。
 じゃあ何で、前世にプレイしてたゲームと同じ要素がそこかしこにあるの? その説明はないの?

 …と、まあ、疑問は尽きませんが、答えはありませんので、ただ一人で納得できそうな答えを探してこじつけるのが関の山なのでした…。

乙女ゲームの『悪役令嬢』とかいう謎のキャラクター #

 多いですよね、悪役令嬢転生。
 何という事だ。私は悪役令嬢に転生してしまったのだ!
 第二王子とヒロインに執拗に嫌がらせをし、最後には処刑台へと送られる。それが私が転生した悪役令嬢の運命だ。
 冗談じゃない!! 折角生まれ変わったというのに、若くして処刑なんて有り得ない!

 かくして、私の破滅回避作戦は幕を開けたのだった――。
 的な。

 まあこれは、女性向けなろうのテンプレになってるので、突っ込むのも野暮っちゃ野暮なんですが。
 しかし敢えて言わせてほしい。声を大にして言わせてほしい。

 既に婚約者が居る男を、婚約者を蹴落としてまで手に入れたいか!? 目当ての攻略対象のシナリオに入ると虐めが始まって、それに耐えないとグッドエンドに到達しないようなゲーム、やりたいか!?

 私はやりたくないです…。そんなストレスフルなゲーム、ただでもやりたくない…。一万円くれるっていうなら、一人くらい攻略してもいい。

 そもそも、攻略対象に既に相手が居てそこから奪い取る…的なゲームは、あるにはありますがとてもニッチです。
 あとやたら貴族令嬢なのですが、乙女ゲームで『中世(と表現する作者さんが多いですが、実際見ていると大抵近世)ヨーロッパ風ファンタジー世界の宮廷』が舞台になっているものはそう多くないです。
 中世ヨーロッパ風ファンタジー世界が舞台はありますが、宮廷ではなく町が舞台のものの方が多いと思います。お忍びの王子とか、騎士さんとかが出てくる的な。王子は初見から正体バレバレだけど、好感度上げてルートに入らないと「実は私は、この国の王子なのだ…」イベントが起こらない、みたいな。

 いじわるを仕掛けてくる『悪役』ではなく、一緒に競い合う『ライバル』なら、出てくるゲームは色々あります。
 そしてライバルである彼女らは、犯罪まがいの虐めなどしません。彼女らにもファンが多くつくくらいには、正々堂々としていて魅力あるキャラが多いです。
 虐めてくるキャラは、虐めにもなってないような虐めをしてくるポンコツウザキャラなんかだったりはします。そして処刑などはされません。何故なら、小学生みたいな虐めしかしないから!

 大体、お話の中では「人気ゲーム」だったりするけど、そんなゲーム売れんやろ…と思ってしまうのです。

『ポーション』て、何…? #

 液状の薬(水薬)を指す一般名詞なんですけど、何故か専ら万能回復薬的な使われ方をしますよね…。
 初級ポーション、中級ポーション…とか。
 実際あるゲームで『ポーション』という名前の回復薬があるものは、私はFINAL FANTASYくらいしか知りません…。ドラクエはやくそうときずぐすりだし。
 でもなろう世界だと、こぞって回復は『ポーション』とやらにお任せ!状態。
 これを見ていると、「作者さんは『なろうテンプレ』で話を書いてるだけで、実際ゲームなんかはしないんだろうな…」と思ってしまうのです。
 別にいいんですけど、ゲームしないのに流行ってるからって「ゲームの世界に転生」の話とか、無理あるでしょ。時々、レビューなんかでも「どんなゲームだよ」とか突っ込まれてるものもありますね。

 ゲーム世界転生の不思議なところは、回復は『ポーション』で一発なのに、宿屋で寝ても傷は治らないんですよねw ドラクエもFFも他のRPGも、寝ればHPは満タンに回復するんですけどね。


 …と、思った事をダラダラと並べてみました。
 これを読んだあなたが、これらの設定に出会う度にモヤモヤしてくれる事を祈りつつ締めたいと思います。

 では、読んでくださりありがとうございました。
紹介するほどの自己がありません。
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