一文字三ツ星の謎が解けた @ 白山咩神社境内『和田屋』
公開 2025/06/04 00:00
最終更新 -



 旧鶴来町の白山咩神社の横にある『和田屋(わたや)』さん、石川県民なら大抵の人は知っているはず。ですが、小生も名前を知ってるだけで、伺ったことはありませんでした。いたずらに馬齢を重ね、いつ天に召されてもおかしくない年になった今、知盛のごとく「見るべきほどのことは見つ」と言って、ぽっくり逝きたいもんだと思う今日この頃です。


 という訳で、『わたや』さんに伺いました。お昼の食事です。この時期なので、鮎をメインにした御膳です。野町から北鉄電車に揺られ30分。終点の鶴来駅からは2.5Kmあり、歩いて行けないことはないけど、この猛暑では道中、熱中症に倒れることは必定。駅前の「かなやタクシー」さん利用で5分で到着。

 
 白山咩神社の広大な駐車場の脇にある案内板がある方から入るのかと思っていたけど、その駐車場と「旧一の宮駅」を結ぶ坂道の真ん中ある、緑のトンネルのような細い道が正面からの入口でした。このあたりからもう十分に、白山咩神社の霊験あらたかな雰囲気です。宿の正面には「一文字三ツ星」の暖簾が威風堂々と鎮座しています。


 この宿の部屋はみな囲炉裏つきで、客のそばで鮎を焼いてくれます。「今日の鮎は手取川の天然ものです。昨夜の雨で今日は川が濁っているので、明日は天然ものはむつかしいと思います」と正直に説明してくださいました。結局、鮎は刺身がわりの「鮎の洗い」、頭と骨は後から「骨煎餅」にしてくださいます、囲炉裏でじっくり焼いたアユの塩焼き2尾、鮎の炊き込みご飯版のむすび茶漬けの 計4種。加えて鮴と夏野菜のから揚げに、白みそ仕立ての鮴汁もいただきました。この店で日本海の「鮮魚」を出す必要など全くありません。それこそ野暮というものです。


 今、金沢の料理屋さんは、どちらかというと全国からくる観光客に喜んでもらえるように、汎用性のある料理が多いように思います。だって遠方から金沢に来て「今夜は鮎と鮴だぞ~」と言っても歓声はわきませんですよね。それより「今宵はノドグロとカニだぞー」と言えば歓喜の大渦となる間違いなし。でもね、この『わたや』さんは、金沢から遠い鶴来の山にあるのですが、むしろ昔の金沢らしい料理を味わえるように思いました。この料理宿自体が自然に溶け込んだ佇まいですし、料理も白山の自然の恵みを素直に、手を加えすぎずに味わえる料理の数々でした。

 で、肝心の一文字三ツ星の件ですが・・・


 宿の方のお話では、かつての手取川洪水で古い家系図なども流されてしまい、正確には言えないがその昔、今の山口県からはるばるここにたどり着いたので、毛利藩の家紋を受け継いでいるそうです。


 小生、ちょっといたずら心をだして、「こちらの一文字は毛筆ではなく、(味付け海苔みたいな)直線の長方形ですよね。これ毛利藩は毛利藩でも、長府藩の家紋じゃないっすか~」と伺うと、「はい、毛利藩の支藩の家系と伺っています」とのこと。あ~やっぱりそうだったんだあ。これで積年の謎が解けました。すっきり!!


 本日のお代の詳細は省略しますが、((料理と飲み物+一人500円の席料)✖1.15《奉仕料》)✖1.08《消費税》です。金額的には決してお安くはないですが、「割高感」は全くありません。それは料理の中身とともに、この料理宿の歴史を積み重ねてきた重厚な設え、そしてこの店の人のホスピタリティー故ですね。 なので、料理の写真を逐一取るなどという無粋なことは、瞬時に頭の中から消えてしまい、自然なおもてなしに終始くつろぎっぱなしでした。


 大変気に入りました。リピーターになりたいです。


(この記事は 旧gooブログの2019/8/6付の記事を再録したものです)
高校卒業後、進学のためはるばる金沢に来てほぼ半世紀。古里は遠きにありますが、この金沢で人生を閉じることになるでしょう。その選択に一片の悔いなしです。
最近の記事
春の2枚
 4月になりましたね。春は芽生えの季節です。冒頭写真は、紫陽花の若葉。また今年のうっとうしい梅雨に、美しい花を咲…
2026/04/02 00:00
「ラーメン 一鶴」が 閉店していた。残念。
   先日、金沢工大のそばにある「ラーメン 一鶴」に、行ったら、店はもぬけの殻になっていました。ネットで調べると、…
2026/03/31 00:00
花咲くウメの木の枝・2026年春
 山中の寓居の畑にあるウメの木、ようやく「さかり」を迎えました。ゴッホの名画に「花咲くアーモンドの木の枝」っての…
2026/03/30 00:00
「物価高騰支援給付金」の案内が届いた
 先日、金沢市から「物価高騰支援給付金」のお知らせが届きました。「なんじゃこれ」と訝しがりながら開封すると、諸物…
2026/03/27 00:00
ようやく金沢の冬が、終わった
 先日、マイカーのタイヤ交換が終わり、名実ともに今年の冬が終わりました。巷では桜開花のニュースが聴こえてきますが…
2026/03/26 00:00
「下宿屋」も「賄つき」も、遠い昔のことに
 小生が金沢に越して来たのは、1970年代後半の某年4月初めでした。犀川沿いの閉業した元旅館の下宿屋で、金沢での…
2026/03/24 00:00
1年過ぎるのが 毎年速くなってゆく
 来週はもう4月、新年度に突入です。1年過ぎるのが、毎年早くなってゆくように感じるのは小生だけでしょうか。NHKの…
2026/03/23 00:00
その律義さが好き! @ 町中華のカウンターにて
 開店直後の某町中華のカウンターでの話。客は小生のみ。注文した品が出て来るのを待っていると、元気よく若い女性が入…
2026/03/20 00:00
「右向け右」はあるけど「上向け上」は、ない。
 小生が子どもの頃って、学校の体育の時間や行事等で、生徒を整列させて「右向け、右」とか「回れ、右」とか、日常的に…
2026/03/19 00:00
美味いけど 喉が渇く @ 旧鳥越村『にわか工房』の「おさとそば」
 旧鳥越村の最奥部でしょうか「三ツ屋野」にある『そば工房』に久しぶりに伺いました。昨年末に伺った時は、満席で引き…
2026/03/17 00:00
いつの間にか、夕方も随分と明るくなった
 暦は3月になって、空を見てるとなんとなく、「春の予感」を感じないわけでもないけど、吹く風は相変わらず寒い金沢で…
2026/03/16 00:00
“ささやかな華やかさ” @ 梅を愛でる
梅で知られる某神社に伺いました。境内に紅白の梅が並んでいます。それだけなのですが、逆にそれがいいんです。  …
2026/03/13 00:00
中古のノートパソコンを買った話
 ノートパソコンってやっぱり消耗品ですよね。我が家には、壊れたりなんかして使っていないノートパソコンが4台ありま…
2026/03/12 00:00
「加藤周一著作集の通読」中間報告③
 昨春から始めた「加藤周一著作集の通読」ですが、その中間報告③です。今回は1月~3月で著作集の第12巻から第16巻…
2026/03/10 00:00
まわたの様な なごり雪
 きのうの8日、金沢には雪が降りました。でも真冬のような雪ではなく、真綿の様な優しい雪でした。  なので、ア…
2026/03/09 00:00
卒業式は 出てないけれど・・
 先日、金沢駅前を車で走ってると、いかにも「先ほど卒業式を済ませてきました!」っていう装いの女性二人と遭遇。たま…
2026/03/06 00:00
介護保険料が、天引きされることに・・
 先日、市役所の介護保険課から「特別徴収開始通知書」なるものが届き、「今年4月支給の年金から、介護保険料3200円…
2026/03/05 00:00
おはぎ屋の「おはぎ屋定食」が秀逸
 金沢に隣接する旧鶴来町(現白山市)には、言わずと知れた白山比咩神社(しらやまひめ~)があります。その表参道口に…
2026/03/03 00:00
松任駅前の いけてるオブジェ
 JR松任駅前の不思議な、いやイケてるオブジェ、ご存知ですか?。これ怪獣?ガラモンの背中?。松任駅前を通行するた…
2026/03/02 00:00
いよいよ来週から3月、冬さんさようなら!
 いよいよ来週から弥生三月です。長かった雪の季節にさようならしたいもんです。それにしても今年の冬は、雪が多かった…
2026/02/27 00:00
もっと見る
タグ
想う事など(81)
金沢の味(43)
マイライブラリー(33)
金沢の街(31)
石川の味(27)
城址時代(26)
些細な出来事(11)
畑仕事の愉しみ(11)
僕の考え(8)
富山の味(3)
DeNAベイスターズ(1)
福井の味(1)
もっと見る