核酸医薬の世界市場レポート2026-2032
公開 2025/12/22 17:49
最終更新 -
核酸医薬世界総市場規模

核酸医薬とは、DNA や RNA といった核酸分子をそのまま—or 修飾を加えたオリゴヌクレオチドとして—患者に投与し、遺伝子発現の調節、RNA の分解、またはタンパク質合成の直接的な書き換え/抑制/活性化によって疾患を治療する医薬品群を指す。具体的には、アンチセンスオリゴ(ASO)、小干渉 RNA(siRNA)、mRNA ワクチンや治療用 mRNA、マイクロRNA(miRNA)、さらには遺伝子編集や遺伝子調節を目的とした構造体を含む。このアプローチの特徴は、従来の小分子薬や抗体医薬では届きにくい「遺伝子レベルの異常」や「従来治療薬で効果が乏しい疾患」を標的とできる点にある。例えば遺伝性疾患、希少疾患、あるいはこれまで治療の選択肢が限られていた神経疾患、代謝疾患、がん、感染症などにおいて、核酸医薬は“病の根源”に遺伝子・RNA レベルから介入する可能性を持ち、医療のパラダイムを転換しうる次世代の治療法である。

図. 核酸医薬世界総市場規模

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上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「2025~2031年のグローバル核酸医薬市場調査レポート」から引用されている。

飛躍の扉を開く ― 核酸医薬市場のグローバル成長と持続性

QYResearch調査チームの最新レポートである「2025~2031年グローバル核酸医薬市場レポート」によると、2025年から2031年の予測期間中のCAGRが7.5%で、2031年までにグローバル核酸医薬市場規模は217.2億米ドルに達すると予測されている。これは、核酸医薬が従来薬で十分治療できなかった疾患、特に希少疾患や遺伝性疾患、慢性疾患、さらにはがん、心血管疾患、神経疾患など多様な領域で有効性を示すと同時に、技術・製造・デリバリーのインフラが整備された結果である。mRNA ワクチンの実績が示したように、核酸を使った治療は安全性・有効性・量産可能性を兼ね備えることで、BIO-pharma の主流になりつつある。個別化医療、標的療法、希少疾患治療という医療の新潮流において、核酸医薬は今や中心的地位を確立しようとしている。

図. 世界の核酸医薬市場におけるトップ14企業のランキングと市場シェア(2024年の調査データに基づく;最新のデータは、当社の最新調査データに基づいている)

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上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「2025~2031年のグローバル核酸医薬市場調査レポート」から引用されている。ランキングは2023年のデータに基づいている。現在の最新データは、当社の最新調査データに基づいている。

地域とリーダー企業で見える成功パターン ― グローバル競争のリアル

QYResearchのトップ企業研究センターによると、核酸医薬の世界的な主要製造業者には、Pfizer、Moderna Therapeutics、Alnylam、Biogen、Sarepta Therapeutics、Novartis、Jazz Pharmaceuticals、Astellas Pharma、Nippon Shinyaku、BioNTechなどが含まれている。2024年、世界のトップ10企業は売上の観点から約98.0%の市場シェアを持っていた。それぞれが異なる戦略で市場展開を進めている。北米は依然として核酸医薬の研究開発と商業化の中心であり、多くの臨床試験と製品承認が集中している。RNAi や ASO、mRNA など複数のモダリティを保有する企業が技術力・規模・資金力を背景にパイオニアになっている。一方、欧州・日本を含むアジア太平洋地域でも研究基盤の整備が進みつつあるが、報告によれば日本企業の核酸医薬への取組みは「欧米勢に比べて遅れがある」とされており、競争の激しさとともに参入障壁も浮き彫りになっている。さらに、作用機序(ASO、siRNA、mRNA など)、治療対象(希少疾患、遺伝性疾患、がん、慢性疾患など)、送達技術(LNP、GalNAc、ウイルスベクター等)、用途の幅――これら多様性が、企業ごとの差別化とポジショニング戦略を生み出している。つまり、核酸医薬市場は「技術力 × 研究開発投資 × 適応疾患ポートフォリオ」によって勝ち筋が分かれており、今後の企業間競争および協業がますます激化する構造である。

医療革新の中核へ ― 核酸医薬が描く医療の新地平

核酸医薬は、単なる新薬カテゴリーではなく、21世紀の医療を根底から塗り替えるプラットフォームである。遺伝子変異、希少疾患、がん、慢性疾患、さらには将来の神経変性疾患や加齢性疾患に至るまで、従来の薬が手を出せなかった領域に対して「遺伝子/RNA レベル」でアプローチできるこの技術は、医療のパーソナライズ化、根本治療、オーファン疾患治療の拡大、そして医療費最適化という社会的使命を同時に担っている。加えて、最近の送達技術の進歩、製造の安定性、規制環境の整備、そして大手製薬企業の参入によって、核酸医薬は理論・研究段階から商業ステージに移行しつつある。今後は、免疫療法、がん治療、再生医療、慢性疾患管理といった多様な分野で核酸医薬がコア技術として定着し、医療と産業の両面で新たな価値を創出することが期待される。

近年の主要ニュース動向

2024年12月19日、米国の Ionis Pharmaceuticals が、トリグリセリド代謝異常を伴う希少遺伝性疾患である家族性キロミクロン血症(FCS)を対象としたアンチセンス医薬品 Tryngolza を FDA 承認。小分子薬では治療が困難だった脂質代謝異常に対し、核酸医薬による治療の有効性が改めて示された。

2025年6月、Novartis AG が米バイオ企業 Regulus Therapeutics を買収。Regulus のマイクロRNA 標的抗体医薬候補である Farabursen(ADPKD 向け miR-17 抑制 ASO)が Novartis の開発パイプラインに組み込まれ、腎疾患領域での核酸医薬拡大が注目されている。

2025年9月、第 2024 年度に米国食品医薬品局(FDA)が新たに承認した医薬品のうち、ペプチド/オリゴヌクレオチド医薬(TIDES)が顕著な割合を占めたことが報告され、核酸医薬が新薬潮流の中心にあるとの見方が強まった。

【レポートの詳細内容・無料サンプルお申込みはこちら】https://www.qyresearch.co.jp/reports/1626698/nucleic-acid-drugs

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QYResearch(QYリサーチ)は、2007年の創業以来、グローバルな市場調査とコンサルティングを提供する企業として、業界での信頼を築いてきました。提供するサービスは、市場調査レポート、F/S(フィージビリティスタディ)、委託調査、IPOコンサルティング、事業計画書作成など、幅広い分野にわたります。当社はアメリカ、日本、韓国、中国、ドイツ、インド、スイス、ポルトガルの国に拠点を構え、160カ国以上、6万社以上の企業に情報提供を行い、信頼されています。特に、日本国内では業界分析、競合分析、市場規模分析といったサービスが高く評価されています。当社は特に自動車、医療、IT、消費財、エネルギー、製造業など幅広い分野での市場動向把握に強みを持ち、各市場の最新トレンドや競合環境を的確に分析します。

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